働き方改革という言葉を聞いたことはあっても、具体的なことはあまりわかってないという方は多いのではないでしょうか?
これまでより働きやすくなるのはもちろん、副業を行いやすくなることによって、収入が増えて生活を豊かにすることができます。
働き方改革により、副業がどう変わるのかについて解説します。
働き方改革とは、現在政府が推進している政策で労働者が自らの意思により様々な働き方を選ぶで、国民それぞれの人生を豊かにしていく社会を目指すというものです。
働き方改革を推進するための関係法律整備に関する法律によって定められ、2019年4月1日から施行されました。
この法律では、労働時間、休日、仕事とプライベートのバランス、副業などについて定められています。
これまで厚生労働省が発表していた就業規則の、見本となるモデルの就業規則は
「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」
とあり明言はされていないものの、政府の方針としては事実上副業を望ましくないものとされていました。
しかし、働き方改革の一環で2018年1月31日にモデル就業規則が改正され
「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」
となったことで、事実上副業を認めるように促す方針を打ち出しました。
このように企業に副業を解禁させようという狙いがあり、就業規則が改正されて以降副業をOKとする企業が注目されて話題になったのです。
これまでは副業を禁止していた企業が大半でしたが、禁止するということが法律で決まっているわけではありませんでした。
しかし実際には多くの企業が就業規則によって副業を禁止し、就業規則に違反した社員は解雇などのペナルティを課せられることがありました。
理由としては、仕事上で得た情報やスキルが流出される恐れがあるというコンプライアンス上の問題があるのです。
また、労働時間が多くなるので疲労が原因で、本業に身が入らなくなるという可能性もあります。
そして社員の労働時間の把握ができないこと、企業として社会的信用が低下してしまう恐れがあるなど、デメリットが大きいと考えられていたので副業を禁止する企業がほとんどでした。
働き方改革で副業を促進しようとしている背景には、少子高齢化による日本の労働人口の減少があります。
現状では労働人口を増やすことができず、今後も労働人口は減っていく予想なので、このままでは経済に悪影響を及ぼすことになります。
そのため、政府は副業をする人を増やすことで、労働市場を活性化させ経済成長することを期待しているのです。
また、現在の経済状況では給与をアップすることは難しいため、本人の努力で収入を増やすことを推奨したいといった狙いがあります。
公務員はもともと家賃収入、株、投資、農業などの一部副業は認められており、一般的なアルバイトなどは禁止されていました。
しかし、2017年4月には兵庫県神戸市、2017年8月には奈良県生駒市が公務員の副業を一部認めています。
地域の方々の役に立てるようなことであれば、営利目的でない場合に限り認めるというものです。
具体的には、NPO法人、社会福祉法人、自治会、スポーツ少年団などの公益性がある非営利団体であれば、報酬をもらって活動できるようになりました。
また、国家公務員については、2018年6月に発表した未来投資戦略2018で
「公益的活動等を行うための兼業に関し、円滑な制度運用を図るための環境整備を進める」
として公益的な活動であれば兼業を許可するとしました。
公務員も副業を認めようという流れになりつつあるのです。
企業が副業を解禁させることによるメリットは様々です。
社員のスキルアップた、新たな人脈を得ることができるため、このような経験を本業にも役立たせることが出来ます。
また、優秀な人材を退職させないで済むという点も重要です。
例えば、将来的に起業をするのが目標である社員は、今までは退職してからでないと起業をすることができませんでした。
しかし、副業が認められることによって、企業に在籍しながら自分の会社も持つということが可能になるのです。
このように、夢を叶えながらも働けるということで社員は充実感を得ることができるため、副業解禁は社員のメンタル対策にも有効です。
情報漏洩をさせない、労働時間を調整するなどの対策が必要ですが、それをクリアすれば企業が得られるメリットは大きいという風潮に変わってきているのです。
政府が働き方改革により副業を推進している背景や、企業の変化などについて解説しました。
働くことが全てではなく、日常生活を充実させることが個人としての幸せにつながるという社会になりつつあります。
大手企業から始まっている副業解禁によって、今後はさらに副業ができる企業は増えていくでしょう。